これ、 ヴォネガットとしては変な本です。 登場人物が普通にリアルなんですよ。 地に足がついた描写がされている。 なんで一作だけこんな書き方したのかなと思いますね。 ある意味では到達点だと思います。 どの本も安定して優れているので、 そういう表現も違うかなとは思いますけど。 でも事実この本のあとには一作しか書かなかったわけですから、 やはりなんらかの想いはあったんじゃないかという気がします。
ASIN: B00C2R9UVE
ホーカス・ポーカス
by: カート・ヴォネガット
二〇〇一年、アメリカはまたも破産に瀕し、企業の大半が外国に買収された。ベトナム戦争中にばかげたスピーチ、ホーカス・ポーカスで新兵を鼓舞していたハートキは、帰国後、勤めていた大学を首になり、日本人が経営する刑務所の教師になる。だが、そこで大脱獄事件が発生した……ハートキがたどる波瀾の人生。
¥644
早川書房 1970年, Kindle版 401頁
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読んだ人:杜 昌彦
(2017年09月07日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
『ホーカス・ポーカス』の次にはこれを読め!