ハンナ・ティンティ

1973年 -
米国の作家。2002年に文芸誌One Story を創刊、14年にわたり編集長を務める。2005年、短編集『Animal Crackers』で作家デビュー。同書はPEN/ヘミングウェイ賞の次点となる。2009年の第1長編『The Good Thief』も全米図書館協会のアレックス賞ほか多数の文学賞を受賞。第二長編『父を撃った12の銃弾』でエドガー賞最優秀長編賞の候補。

父を撃った12の銃弾

12歳の少女ルーは、父とともに亡き母の故郷に移り住んだ。それまでは父とふたり、各地を転々としながら暮らしてきたが、娘に真っ当な暮らしをさせようと、父サミュエルは真っ当に働くことを決めたのだ。しかし母方の祖母は父娘に会おうとしない。母はなぜ死んだのか。自分が生まれる前、両親はどんなふうに生きてきたのか。父の身体に刻まれた弾傷はどうしてできたのか。真相は彼女が考える以上に重く、その因縁が父娘に忍び寄りつつあった……。ティーンとしていじめや恋愛を経験して成長してゆくルーの物語と、サミュエルを撃った弾丸にまつわる過去の断章を交互に語り、緊迫のクライム・サスペンスと雄大なロード・ノヴェル、鮮烈な青春小説と美しい自然の物語を完璧に融合させ、みずみずしい感動を呼ぶ傑作ミステリー。