この本はね、 だめですよ。 怒りさえ湧きました。 ひねらないまま終わるのは百歩譲っていいとしましょう。 『偶然の音楽』 では少なくとも、 わざと落としたまま終わらせる底意地の悪さが、 よくいえば凄みになっていた。 これはただひねらないだけです。 おまけにアイディアストーリーみたいな勘違いさえしている節がある。 星新一がいなかった国の小説ですね。 ずっとこういう作家だと決めつけなかった編集者は偉いと思います。 『冬の日誌』 を書くことになる才能だとは、 おれなら見抜けませんでした。
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読んだ人:杜 昌彦
(2017年09月05日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
『幽霊たち』の次にはこれを読め!