特集: ロード・ノヴェル

あてもなく転がりつづける若者たち、生死を賭けた冒険、凸凹コンビの珍道中……。旅する小説を集めました。

あの川のほとりで

ニューハンプシャーの山あいの小さな林業の町に暮らす、料理人とその息子。ある夜、寝室から漏れるただならぬ呻き声を聞いた息子は、父親が熊に襲われていると思い込み、ベッドの上の何者かをフライパンで撲殺してしまう。それは父の愛人であり、悪いことに町の悪辣な治安官の情婦でもあった。そして二人の逃避行が始まる―。構想20年!半自伝的大長篇。

読んだ人: 杜 昌彦

熊を放つ

既成の文学観の埒外とも言うべき、アーヴィングのマッシブな小説世界はここから始まった―骨太、大胆、エキサイティングで予測不能。傲慢なまでの若々しさと、青春小説の特別な輝きに満ちたデビュー作。

読んだ人: 杜 昌彦

ブコウスキーの酔いどれ紀行

テレビに出れば泥酔して共演者を怒らせ、朗読会を開けば聴衆に罵られ、ホテルで騒いで叱られる。家に帰りたいとゴネながら、毎日が二日酔い。伝説的カルト作家による、酔いどれエピソード満載の紀行エッセイ。人生を嘆き悲哀を滲ませるブコウスキー節が全開。本人の貴重な写真や詩も多数収録し、ブコウスキー文学のエッセンスがぎっしり詰まった一冊。

読んだ人: 杜 昌彦

奇妙という名の五人兄妹

ウィアード家の三女アンジーは、祖母に呼び出されてバンクーバーの病院にやってきた。祖母は自分が13日後の誕生日に死ぬことになると予言し、続いてこう言った。「お前たち5人の孫が産まれたとき、祝福のつもりで〈力〉を与えた。危機を回避する力、道に迷わない力、希望を失わない力、許しの力、戦う力。でもそのせいでお前たちの人生は台無しになってしまった。わたしが死ぬとき、この力を消してあげよう。そのために、お前が全員をここに連れてくるんだ」アンジーは祖母の指示に従い、それぞれ〈力〉と悩みを抱える兄と姉二人と弟を集める旅に出た。『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』の著者が描く、奇妙(ウィアード)という名を持つ家族の奇妙な物語。

読んだ人: 杜 昌彦