特集: 連載作品
GONZO
杜 昌彦
姫川尊の噂をするとき、わたしたちが浮かべる表情は、決まって揶揄であり蔑みだった……頭のおかしい嘘つきおばさんが語る、ばかばかしくも切実なZ級BLアクション!(2021年作)
読んだ人: 一夜文庫
孤独の座標
K.G.ザムザ
橋を一つひとつ焼き落とし、かつての自分を葬って生きてきた。時どき、自分が過去も未来もない空間を漂っているような気持になる……都会の夜を漂う思考の記録。
読んだ人: 人格OverDrive 編集部
にじみ
山田佳江
一九八六年の北九州市。小さな写植屋と小学校、緑川のおねえちゃんのおうち。犬のコロとコーヒーとビートルズ。全てがあたりまえで少しだけきゅうくつな、十二歳の私のおはなし。
読んだ人: 人格OverDrive 編集部
裏切り者へ愛をこめて:阿部和重論
柳楽 馨
阿部和重に芥川賞をもたらした『グランド・フィナーレ』の宣伝文句を、私はよく覚えている。「文学が、ようやく阿部和重に追いついた」。しかし、「批評」が阿部に追いついていない。
読んだ人: 人格OverDrive 編集部
コロナの時代の愛
イシュマエル・ノヴォーク
「色んな人に会った。色んな経験も。変わったことは沢山あるように思うけれど、そうでもない気もする」……1950年代のサウス・ブロンクス、1960〜1990年代のエル・パソ、同時多発テロから数年後のイングルウッドとニューヨーク。さまざまな時代を舞台に、自由に、クスっと笑えるジョークをまじえて描く土地と血の物語。
読んだ人: イシュマエル・ノヴォーク
デヴィッド・フォスター・ウォレス『インフィニット・ジェスト』翻訳日誌
柳楽 馨
アメリカの作家デヴィッド・フォスター・ウォレスは、私がその名前を耳にしたとき既に死者だった。そのとき私が考えていたのは、たぶん、私には一生いわゆる「小説」は書けないだろうが、それでも小説を離れて生きることもできないだろうということだった……。大長編『インフィニット・ジェスト』(Infinite Jest, 1996)の翻訳を巡る思考の冒険。
読んだ人: 杜 昌彦