いわゆる若書きの、 恥ずかしい失敗作ばかりを集めた短編集です。 人前に出すことを決めたので多少は手を入れましたが、 「魂の十五分間」 だけはだめでした。 あまりに内容が古すぎて直しようがない。 藤井太洋さんには褒めていただけたし、 あれのおかげで書くための勘を取り戻せたので、 それなりに思い入れはあったのですが、 どうやら記憶を美化していたようで、 読み返してみたところ、 本来は表に出せない水準のゴミだとわかりました。 「妄想の種」 は稚拙だし、 インターネットに適性がないことに悩んでいた時期に書いた 「変人らしい変人」 は、 もはや元ネタすら思い出せない。 「シュウ君と悪夢の怪物」 はあまりにひどいので書き上げたが最後、 二度と見たくないと思い、 読み返したのは今回が初めて。 百円ショップに長時間滞在すると感覚がおかしくなって、 どんなゴミでも 「ありかな」 と思えてくるように、 失敗作ばかり読み返すうちに 「悪くないんじゃないか」 と錯覚したのですが、 んなわきゃない。 「黒い渦」 は七百枚の初稿を書き直すうちにあの短さになりました。 もう二度とそんな書き方はしない。 旧筆名時代の負の遺産はこれで清算して、 次へ進みます。 ああ、 せいせいした。
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ガーベッジ・コレクション
杜 昌彦 著
黒歴史、全部お蔵出し! だれにでも若き日の過ちはあるもの。恥ずかしくってたまらない失敗作の数々を大放出! 作家志望の青年が清純派女優といけない夜を過ごす「妄想の種」、九年前のなつかしいインターネット「魂の十五分間」、人気ブログにあやかろうとした浅ましいパスティーシュ「変人らしい変人」、身の程知らずにも児童文学に挑戦した「シュウ君と悪夢の怪物」、ジャンルが死滅した時代になぜか書いてしまったSFアクション「黒い渦」……あなたを混乱と赤面に陥れる珠玉の(?)五編。
ジャンル: 人格OverDriveの本
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2020.
01.29Wed
(1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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