イシュマエル・ノヴォーク

イシュマエル・ノヴォーク短編集

イシュマエル・ノヴォーク氏の世界

第1話: ピンボールタッチ

 ONE  ボウル・モア社製ピンセッターが等間隔でピンを並べた。すべてのピンは一五〇〇グラムで発注されたが、長年、油が塗られたボウルに小突き回された結果、おおよそ五〇から八〇グラムほど軽くなっている。ファウルラインの上で […]

第2話: カウチ・ポテト

多くの人が触れ合うことを避けている。

第3話: ローン・スター

 へし折った生木で焚火をかき混ぜると苦し紛れに火の粉が飛び出した。バーリングが火の粉を目で追う。中空を舞った火の粉が黒ずみ、哀れな塵が土くれの上に寝転がった。薮が揺れ、背中にショットガンを背負ったラフ・ベルがあらわれた。 […]

第4話: ブローティガンの隣人

 ソファの上でうたた寝をしていたアーバイン・マッカムスは目覚めるなり、すっかり泡が消えたビールの残りを飲み干した。つけっぱなしのテレビ、ブラウン管の中では何度目の再放送か権利者ですら定かでないメロドラマが映し出されている […]

第5話: デッドマンズ・ナイト~サタデー・ナイト・サタナイト・ショー

 モーテルでシャワーを浴びたデッドマンはぬるま湯を洗顔タオルで拭き取ってベッドに腰掛けた。デッドマンが自身を〈死んだ男〉と名乗るようになったのは三年前に事業に失敗して債権者に追われる日々から逃れるために自動車に乗り込んだ […]