D.I.Y.出版日誌

連載第190回: Pagesでepub出力とKindle出版(KDP)を試す

アバター画像書いた人: 杜 昌彦
2019.
03.29Fri

Pagesでepub出力とKindle出版(KDP)を試す

Pages で縦書きが可能になったKindle 版の出版に使えれば Hagoromo は不要になるこれまでも Pages で生成した epub をいじって縦書きにするハックは存在したが検証すると不正な epub だった正式対応に期待していた結論からいえば epub は OK だだが Kindle 版には使えないepub はまず出力時の設定でフォント埋め込みのチェックをはずさねばならないそうしないと重すぎてまともに表示できない epub ができあがる奥付をテキストボックスで横書きにしてみた罫線で仕切りを入れるのも楽でよさそうに思えたが epub にすると画像になるおまけに罫線がその画像からはじき出されて奥付のあとに罫線が並ぶこれまでも奥付は画像で処理していたしどうしても罫線が必要なわけではない検証も通るしまぁいいかと妥協するつもりでいたが KDP にアップロードするとなぜか本文が横書きになる右綴じ横書きという珍妙な本の完成だmobi で上げればどうだろうと考えて Kindlegen にかけたがパーミッションが不正だといわれる追記:このエラーは解消されたがやはり横書きの mobi が生成される)。 Kindle 版が出版できないのでは意味がないMac で epub をつくる手段はどれも一長一短だHagoromo は目次生成に難がある何年も前に改善要望を出して返事はすぐにもらったが直す予定はないようだごく一時期ネットブックで Windows を使っていたときに試した WZ Writing Editorいまは WZ Writing Editor 2 という名称らしいが epub 対応に優れているという話は聞くMac でそのような手段がないのはどうにかならぬものかWordPress からそのまま epub 出力できれば連載ツールがそのまま単行本出版ツールになるので便利なのだが既存のプラグインはどれもまともに機能しない自力で構築する技術もない現状で組版までちゃんとやれる手軽なツールは BCCKS だけだ2013 年から現在に至るまでその状況が変わらないのは嘆かわしいそれだけ BCCKS が優れているといいたいところだが集客力のないモールと一体になった UI では出版ツールとして使いものにならないエディタだけアプリケーションとしてサービスから切り離していただけないものだろうか実現してくれたらもちろん月額料金を支払うAdobe より高くてもいい独自ショップと変わりない集客力なら独自ショップでやったほうがいいモールとして出版者と読者を囲い込むことが許されるのは残念ながらアルファベット最初の文字からはじまる偉大なるストア様だけだインフラが BCCKS であるのは構わないがそれならそれで外部から利用できるような API なり WordPress プラグインなりで機能を切り分けていただけると助かるしかし叶わぬ夢を見ていても仕方ないPages は惜しかったepub 出力まではよさそうに見えただけに残念だそれとも作成手順に不手際があったのだろうかわからないさしあたり男と職と家をなくした 28 歳女子がシェアハウス暮らしのおっさんに恋する話①は刊行延期だ無事に出版できたら追記する

追記:

ePub オーサリングツールは LeME がもっとも優れているほかとは比べ物にならないPages はロゴ作成の際の字詰めや扉画像の生成などに使っている

電子書籍を作ろう!

追記2:

LeME で作成した電子書籍の実例結局分冊にするのはやめて題名も変えた


(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。

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