文学会議
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文学会議

奔放なウィットと想像力の炸裂する、アルゼンチン作家の衝撃作。小説家でマッド・サイエンティストの〈私〉は、文学会議に出席する文豪のクローンを作製しようと企む。しかし小さな手違いから大惨事が――。奇想天外な表題作のほか「マオとレーニン」というパンク少女たちと街角で出会った〈私〉がスーパーを襲撃するまでを描く「試練」を併録。世界的名声を誇る作家による、渾身の2篇。

著者:セサル・アイラ

(1949年2月23日 - )アルゼンチンの作家。ブエノスアイレス大学およびロサリオ大学で教鞭を執る。フランス政府芸術文化勲章シュヴァリエ、ロジェ・カイヨワ賞等受賞。2015年にはブッカー国際賞のショートリストに選ばれたが受賞はできなかった。1992年刊行の「試練」は、ディエゴ・レルマン監督によって映画化された。

セサル・アイラの本
2018.
10.06Sat

文学会議

おもしろいかつまらないかでいえば、おもしろかった。読む価値があるかと問われたらないと答える。いわゆる「変な話」なのだがもっと変な話をおなじくらいうまく書くアマチュアを何人か知っている。91年頃のSFマガジンにはこんなのがいつだって何本も載っていた。それがあたりまえだった。カルトの事件と西の街の震災があってから日本人は見慣れないものや異なる価値観を警戒するようになった。それから四半世紀あまりでSFは恵まれたひとたちがそうでないひとたちを貶めるジャンルに変質した。仕事のできないやつが混乱に陥れた世界を仕事のできるやつが救う話なんてだれが読むものか。ファンがスランだった時代は遠い昔になった(註:「ファンはスランだ!」は定型発達者から迫害されるミュータントにSFファンが自分たちをなぞらえた標語)。あの頃を知っている人間にいわせればこの本はそんなにありがたがって読むほどのもんじゃない。おなじくらいおもしろい何本もの別の話と一緒くたにSFマガジンに載っていて、あー今月もおもしろかったと読み棄てられるのにちょうどいい種類のおもしろさだ。つまらなくはないんだよ。装幀だって素敵だ。でもざらにあるはずのおもしろさであって、そんなものにさえ珍しい価値が生じてしまうほど現代の読書はつまらなくなった。


杜 昌彦

(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。硬質な文体と独創的な物語で知られる。作風はアヴァン・ポップ、スリップストリーム、スペキュレイティブ・フィクションに分類される。2010年から別名義で活動。2013年日本電子出版協会(JEPA )主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。

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