無限に分割された一瞬を死に続ける 『航路』 も傑作ですが、 淡々と死を描くこちらのほうが優れていると思います。 「夢の文学館」 シリーズに収められたこの作品は、 和田誠さんの装幀が美しく、 プリースト 『魔法』 とあわせて忘れられない一冊です。 父親的な人物が不在のあいだに起きるできごと、 というのは宗教的だと感じました。 キリスト教徒にとって人生はそのようなものなのかもしれません。 宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』 もそんな話でした。
ASIN: B00KID91KE
ドゥームズデイ・ブック
by: コニー・ウィリス
14世紀にタイムトラベルしたオックスフォード大学の史学生キヴリンを待ちうける恐るべき試練とは? 歴史研究者の長年の夢がついに実現した。過去への時間旅行が可能となり、研究者は専門とする時代をじかに観察することができるようになったのだ。オックスフォード大学史学部の史学生キヴリンは実習の一環として前人未踏の14世紀に送られた。だが、彼女は中世に到着すると同時に病に倒れてしまった……はたして彼女は未来に無事に帰還できるのか? ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞したタイムトラベルSF。
¥1,089
早川書房 2003年, Kindle版 499頁
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読んだ人:杜 昌彦
(2018年03月01日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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