好きなシリーズだったんでつづきを読みたいんですよ。 ドメインやアカウント名も主人公の名前をイメージしたくらい。 本国ではいっぱい出ているのに邦訳は途絶している。 クリントンの愛読書ということで映画化もされたのに現在では満足な書影すらない。 ミステリが売れなくなったんでしょうね。 流行ってのはなんとかならないものでしょうか。 英語を勉強して原文で読めばいいのでしょうけれど頭が悪いんですよ。 どうしたものか。 この第一作では主人公が太平洋戦争による PDSD で乖離性障害を発症していて、 それが物語の求心力になっているのですけれど、 シリーズが進むにつれてその設定が薄れてきて、 どこかへ行ってしまう。 代わりに米国の現代史における市井のアフロアメリカンの生活が主な関心事になってくる。 そこで語られる挿話は日本人にとっても他人事じゃないんですよ。 当時もそこに日系人が暮らしていたわけですから。 モズリイはちゃんとそこにも視線を向けている。 そういう視点で書ける作家って、 いるようで実はそう多くないような気がします。 セルフパブリッシングの時代なのですから翻訳家が自力で権利を取得して翻訳したりとか、 そういう動きはないものでしょうか。 自力で英語を読めるようになれという話ですよね、 うん、 わかっちゃいるんですけれど、 知能がね。 ⋯⋯そうそう、 映画版もよかったですよ。
ASIN: 4151702512
ブルー・ドレスの女
by: ウォルター・モズリイ
1948年、ロサンゼルス。失業中の黒人労働者イージーは、家のローンを返済するため、美貌の白人女性ダフネを捜しだす仕事を引き受けた。調査を始めたイージーは、ダフネが出入りしていたもぐり酒場を訪れ、彼女の知人の黒人女性を見つけ出した。が、数日後、その女性が殺され、事件は思わぬ方向へ―アメリカ私立探偵作家クラブ賞、英国推理作家協会賞新人賞を受賞し、ミステリ界に旋風を巻き起こした衝撃のデビュー作。
¥130
早川書房 1995年, 文庫 316頁
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読んだ人:杜 昌彦
(2018年03月16日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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