うへ

大人って歯も上手く磨けない

子供の頃よく親に「きちんと歯を磨きなさい」「虫歯になるよ」と、口酸っぱく言われていた。
大人になっていま思うのは、「大人だって虫歯になるじゃん!」ということだった。

歯医者さんは子供にとっての「恐怖の象徴」のようなイメージがあるけど、本当は大人だって怖いんだってこと。
歯の磨き方を習っても、磨き残しがあると言われること。

大人って歯も上手く磨けない。
私たちは取り繕うことばかり上手くなっていく。
ほんとうはまだ、子供の心がそこにあるのに。

第19話: ねえ、ひょっとこハム太郎

 中学一年生の、とても厳しい夏だった。  裕福な家庭の友達の家に遊びに行ったとき、飼われていた複数のハムスターを見て「欲しい」と思った。  母親に何度も頼み込んで、世話もちゃんとするからと、自分で貯めたお小遣いをはたいて […]

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第18話: 私を蔑んだ目をした教師たちのことを死んでも忘れない

 私の中学時代は、過酷な生き残りをかけた闘いであった記憶しかない。  入学初年度はわりかしそうでもなかったのだが、二年生に進級したあたりから、サバイバルの様相を呈していき、同年代の万引き、タバコ、流血沙汰の喧嘩など、日々 […]

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第17話: アシタカにはなれなかったが、現実の呪いは解けない

 コミュニケーション能力が著しく低下している。  いや、低下しているというより、声が思うように出ていないようで、店員に度々聞き返される。  「ポップコーンレギュラーセットで」  「はい?」  「ポップコーンレギュラーセッ […]

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第16話: 「染まるよ」で蘇る思い出。奈良で童貞を捨ててきた話(Part4)

 「翔也と同じこと言ってはる(笑)」  彼女は突然、堪えきれない、といった様子でクスクスと笑い出した。  「…翔也もな、あたしのあそこのことをな、”こぢんまりしてる”っていうたねん」  小声で恥じらいながら、私が言った言 […]

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第15話: 「染まるよ」で蘇る思い出。奈良で童貞を捨ててきた話(Part3)

 彼女の名は「あやか」といった。平仮名で「あやか」。
 二週間後に会う約束を取り付けてからというもの、一日一日がひどく長く感じられた。お互い期待に胸を膨らませ、遠足前の子供でもこんなに前から喜ばないだろうというくらい高揚していた。

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第14話: 「染まるよ」で蘇る思い出。奈良で童貞を捨ててきた話(Part2)

 彼女が小学生低学年の頃、近所の男子中学生に家に誘われてついていった先で、性器に指を入れられて弄ばれたときから、不快感と恐怖感の狭間で、たしかに覚えた快感の萌芽は、その後の彼女の人生に少なからぬ影響を与えたのだろう。

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第13話: 「染まるよ」で蘇る思い出。奈良で童貞を捨ててきた話(Part1)

 深夜二時過ぎ、スマホで立ち上げたYouTubeのおすすめに不意に上がってきたチャットモンチーの「染まるよ」。
 いつか書こうと思っていた私の原点にして頂点である色恋沙汰エピソードを語るべきときが来たようだ。

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第12話: 論理でも感情でもない「何か」

 私は馬鹿だから、論理的に考えることができない。そうかといって、感情的だというわけでもない。私はこれまで、いかに感覚的に生きてきたかということがつい先頃、唐突にわかった。

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第11話: 下衆の極み男

 待ち合わせ場所は駅のコンコースにあるミスドの前だった。予定より早く着いた。といっても、当初の待ち合わせの時刻よりもあえて一本早めの新幹線に乗車し、逢瀬にゆとりを持たせた結果なのだから当然だ。

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第10話: 姉と賄賂

 私は物心ついた頃から変に気を回す子供であった。

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