うへ

大人って歯も上手く磨けない

子供の頃よく親に「きちんと歯を磨きなさい」「虫歯になるよ」と、口酸っぱく言われていた。
大人になっていま思うのは、「大人だって虫歯になるじゃん!」ということだった。

歯医者さんは子供にとっての「恐怖の象徴」のようなイメージがあるけど、本当は大人だって怖いんだってこと。
歯の磨き方を習っても、磨き残しがあると言われること。

大人って歯も上手く磨けない。
私たちは取り繕うことばかり上手くなっていく。
ほんとうはまだ、子供の心がそこにあるのに。

第42話: ジャンクヒューマン

「12時回ったね……。とりあえず午後から再開しようか」 「はい」 「昼ご飯どうしてるの?」 「昨日は外で食べました」 「じゃあ一緒行く?」 「あ、いえ、一人で食べます……」 「昼飯買い行く? コンビニ行こうか」 「あ、は […]

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第41話: IBSライダー

 うんこし放題。ある特別な才能を授けられたものだけがこのワードに感動を覚えることだろう。そう、過敏性腸症候群にとっては死活問題であり、人生の4分の1をトイレで過ごしてきたと言っても過言ではない。  過敏性腸症候群には大き […]

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第40話: 恋心ダイナマイト

 就職活動さえままならないのに、私は大学生のSちゃんと寝た。この時期になにを悠長にマッチングアプリなんてやってるいるのだ、と言われても、疼くものは疼くのだから仕方がない。それは性欲なのかわからない。私の自慰は、快楽という […]

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第39話: close one’s ears

 服装の組み合わせを色々と考えるために洗面所にある鏡の前を行き来する。すると母はこちらへ注意を向け始める。「どこに行くんやろ」「往復を繰り返してるということは」「まさか女」「そういえば尿意を催していた」そうやって洗面所の […]

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第38話: 地下アイドルのライブを見に行った話

「じつはわたし、地下アイドルやってるんですよ」  仕事で与えられたマニュアル通りにスマホを操作しながら、彼女は見えない勇気を振り絞るようにしてそう口にした。  地下アイドルの意味を知らず、そもそも世の中ではいまや「アイド […]

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第37話: 好きの気持ち

「やっぱり出てきたね……」 「……確信犯かもなあ」  時刻は夜の8時を回っていた。季節は確実に冬へと近づいているその証拠に、暖房を切ると車内には徐々に冷気が侵入してきていた。  ここはそれなりに広大なスペースを有した公園 […]

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第36話: ありのままの自分を好きになってくれるお相手なんてものは夢の話なのかな

 いつからだろう。思えば私は、自分の年齢と十くらい前後している範囲内の女性のすべてを、恋愛の対象としてしか見ていないことに気が付いた。  だから私はこれまで対面してきた、前記の条件に該当するすべての女性に対して、打算的な […]

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第35話: 好色益荒男ぶり

 7時間も話し込んだ。彼女は小説も映画もあまり見ないというのに、表現に富むし、私が話したことをほぼ正確にそのニュアンス通りに受け取った。時折、そうでない場合には、その伝えたかったことへのズレたピントを補正するための労力も […]

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第34話: 人間合格

 友達もいないのに、特別行きたい場所なんてないのに土日休みがいいな、なんて思ってたのは、いつかできる予定のために抑えておくつもりだったんだと思う。  仕事のためにあまり遠くへ行けないと思うのは、いもしない君のことや、友人 […]

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第33話: 正社員になれた日

 なぜ、内定をもらったのに蹴ったのか。  電話口では突然だったこともあり、勤務地が三ヶ月から一年のスパンで県外を転々とするという条件がのめないことを理由に断ったのだが、もちろんその理由は嘘ではない。ただ、咄嗟に口をついて […]

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