藤沢周平さんの作品はいつか集中的に読もうと思ってました。 Kindle 化されてたんですね。 楽しみが増えました。 うまいなぁ、 おもしろいなぁしか感想がないです。 全話きっちり楽しませてくれるし、 文章もいい。 伏線といい山場といい、 構成の手際は完璧。 アクションも毎回違った趣向で魅せてくれるし、 登場人物も魅力的。 各話ごとの伏線や山場だけではなく、 全体に流れる主題の見せ方、 盛り上げ方、 まとめ方もうまい。 そりゃ Amazon のレビュー欄も愛に溢れるってもんです。 しいて難癖つけるなら女性の描き方が昭和のサラリーマン向けですね、 ほかの作品と較べて。 ちょっと 「取って付けた感」 というか、 浮いてる部分がある。 技術として求めに応じたんだろうなぁと思いました。 用心棒と同じように作家も食べていかねばなりませんからね。 藤沢さんの本は何冊か読みましたけど、 どれも生活のディテールがちゃんと書かれてるのがいいですね。 登場人物のだれもが、 日々を暮らしていくためにやらなきゃいけないことをやっていて、 それが物語になっている。 小説ってそういうものかもしれませんね。
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読んだ人:杜 昌彦
(2017年11月16日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
『用心棒日月抄』の次にはこれを読め!