用心棒日月抄
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用心棒日月抄

用心棒が赴くところにドラマがある――。故あって人を斬り脱藩。己れの命を危険にさらし、様々な人の楯となって生きる浪人青江又八郎の苛烈な青春。江戸は元禄、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれ、請け負う仕事はなぜか浅野・吉良両家の争いの周辺に……。凄まじい殺陣の迫力と市井の哀歓あふれる十話。


¥970
新潮社 1981年, Kindle版 413頁
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読んだ人:杜 昌彦

用心棒日月抄

藤沢周平さんの作品はいつか集中的に読もうと思ってました。 Kindle 化されてたんですね。楽しみが増えました。うまいなぁ、おもしろいなぁしか感想がないです。全話きっちり楽しませてくれるし、文章もいい。伏線といい山場といい、構成の手際は完璧。アクションも毎回違った趣向で魅せてくれるし、登場人物も魅力的。各話ごとの伏線や山場だけではなく、全体に流れる主題の見せ方、盛り上げ方、まとめ方もうまい。そりゃ Amazon のレビュー欄も愛に溢れるってもんです。しいて難癖つけるなら女性の描き方が昭和のサラリーマン向けですね、ほかの作品と較べて。ちょっと「取って付けた感」というか、浮いてる部分がある。技術として求めに応じたんだろうなぁと思いました。用心棒と同じように作家も食べていかねばなりませんからね。藤沢さんの本は何冊か読みましたけど、どれも生活のディテールがちゃんと書かれてるのがいいですね。登場人物のだれもが、日々を暮らしていくためにやらなきゃいけないことをやっていて、それが物語になっている。小説ってそういうものかもしれませんね。

(2017年11月16日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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藤沢周平
1927年12月26日 - 1997年1月26日

日本の小説家。山形県鶴岡市出身。本名、小菅 留治(こすげ とめじ)。江戸時代を舞台に、庶民や下級武士の哀歓を描いた時代小説作品を多く残した。とくに、架空の藩「海坂藩(うなさかはん)」を舞台にした作品群が有名である。

藤沢周平の本

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