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骨の袋
ASIN: 4105019058

骨の

ある暑い夏の昼下がり、妻が死んだ。最愛の妻を襲った、あっけない、なんのへんてつもない死。切望していた子供を授からぬまま、遺されたベストセラー作家のわたし=マイク・ヌーナンは書けなくなり、メイン州デリーの自宅で一人、クロスワード・パズルに没頭する。最後に妻が買ったもの―妊娠検査薬。なぜ。澱のように溜まっていく疑い、夜毎の悪夢。作家は湖畔の別荘を思い出し、吸い寄せられるように、逃れるように妻との美しい思い出が宿る場所、“セーラは笑う”へと向かう。そこでわたしを待っていた一人の少女が、すべての運命を変えていく―。『グリーン・マイル』のスティーヴン・キングが圧倒的な筆力で描く、哀切なまでに美しい、重量級のゴースト・ラヴ・ストーリー。


¥551
新潮社 2000年, 単行本 329頁
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いちばん好き

読んだ人:杜 昌彦

骨の袋

彼の本でどれか一冊薦めるならだんぜんこの本読み返してから書くつもりだったのですが先延ばしにしてばかりでいつになるかわからないので四半世紀前の記憶を頼りに書くことにしました職業作家になろうとしていた時期当時刊行されていた彼の長編はほとんど読んだのですが (『呪われた街だけ図書館の本があまりに汚かったので未読)、 そのうちでいちばん好きです書くことについての話だからでしょうね書けなくなった作家が泣きながら Word のショートカットを PowerBook G3だったと思うたしかのゴミ箱に放り込む場面が印象に残っていますおれたちの国はかつてよそのひとたちやよそから連れてきたひとたちにひどいことをしたわけですが米国にもそのようなことがあってもともと住んでいたひとがいた土地ですからね)、 その恨みが亡霊となることがあるんだなとこの本ではじめて知りましただれもが視線をそらしてなかったことにする話題を真っ向から書くのが彼の好きなところです野球帽かぶった米国白人でありながらいやだからこそなのかな? この時期の彼はたぶんアーヴィングに憧れていたのではないかと思いますし当時村上春樹はアーヴィングに影響を受けた彼を意識していたようにおれは感じました。 『ねじまき鳥クロニクルとかそれっぽくないすか? 語り口についてはそうだけれどでも都合の悪いことに向き合える作家はこの国にはそんなにいないような気がしますだからこそのキングなんじゃないかなそれにしても生まれた子どもが社会人になるくらいの歳月がすぎたんですね内容を忘れていてもしょうがないな

(2022年09月26日)

(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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AUTHOR


スティーヴン・キング
1947年9月21日 -

「ホラーの帝王」の異名を持ち現代米国を代表する作家の一人。具体的な固有名詞をはじめとした詳細な日常描写を執拗に行うのが特徴。従来の怪奇小説とは異なるモダン・ホラーの開拓者にして第一人者とされる。著作の多くが映像化されている。世界幻想文学大賞、ヒューゴー賞、オー・ヘンリー賞、ブラム・ストーカー賞などを受賞。

スティーヴン・キングの本