杜 昌彦

(1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。

思えばわたしと同じ高校に入学した時点で姫川尊は一族の爪弾きだったのかもしれない。

壁ドン天国

あたたかい絆の場で助けを求めたら親切なだれかが知恵を授けてくれるんじゃなかったのかよ。

トリプル・ドッグ・デア

気がそれて遊びはじめる幼児の口へ泥のような食品を突っ込む努力を放棄して、トイレで吐いた。

何がおもしろいの?

出版したからには売らねばならない。

A Rush of Blood to the Head

差別や加害性をまったくの他人事と捉える感性こそが、社会での生きやすさに直結する。

生存報告

見たいものだけ見ていたい。

インディゴ

オーストリア・シュタイアーマルク州北部に、ヘリアナウという全寮制の学校がある。インディゴ症候群を患う子供たちのための学園だ。この子供たちに接近するものはみな、吐き気、めまい、ひどい頭痛に襲われることになる。新米の数学教師クレメンス・ゼッツはこの学園で教鞭をとるうちに、奇妙な事象に気づく。独特の仮装をした子供たちが次々と、車でどこかに連れ去られていくのだ。ゼッツはこの謎を探りはじめるが、進展のないまますぐに解雇されてしまう。その15年後、新聞はセンセーショナルな刑事裁判を報じる。動物虐待者を残虐な方法で殺害した容疑で逮捕されていた元数学教師が、釈放されたというのだ。その新聞記事を目にした画家のロベルト・テッツェルはかつての教え子として、ゼッツが手を染めたかもしれない犯罪の真相を追いかけていく──軽快な語り口と不気味さが全篇を覆い、独特な仕掛けがさまざまな読みを可能にする。既存の小説の枠組みを破壊して新しい文学の創造を目指した、神童クレメンス・J・ゼッツの野心溢れる傑作長篇。

編集という暴力

評価されることへのおれの適正のなさは異常だ。

それであなたが幸せなら

平穏な日常を知ってしまったからだ。世間のひとびとが当たり前に享受する人生がいかなるものであるかを知ってしまった。

困惑

迷惑をかけたくなければ人目に触れぬよう息を潜めることだ。両親のようにはなりたくない。