アクロバット
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アクロバット

逆スパイや内部不正の監視など防諜活動が任務のCIA精鋭チーム“アクロバット”。そのメンバー6人は、ある朝突然、CIAの防諜部担当副長官デントンから中国への軍事機密漏洩の嫌疑をかけられ、組織からの逃亡を余儀なくさせられる。ちりぢりに散ったメンバーが再会を約束した地下鉄タイムズ・スクエア駅だったが、そこで待ち受けていたデントンの刺客によって、チームのリーダー、トムが命を落とす。身に覚えのない容疑、陰謀の張本人は一体誰なのか――組織から追われる不安と困惑のなか、逃げ続ける残された5人のメンバーは、反撃の機会をうかがう一方、銀行の貸金庫に隠されたチームの「資産」を追う。決死の逃走の末、たどりついた真実と驚愕の結末は…。


¥1,980
小学館 2004年, 単行本 414頁
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著者: ゴンザーロ・ライラ

(1968年2月29日 - )米ダートマス大学卒。英語とスペイン語で小説を発表している。現在はチリのサンティアゴに在住。

ゴンザーロ・ライラの本
2020.
04.01Wed

アクロバット

生涯で出逢ったアクション小説でいちばんおもしろかった……はずなのだが記憶を美化していたのだろうか。十五年ぶりに読み返した。アクション描写も人物の造形もすばらしい。が、全体としては「悪くない」以上の感想はなかった。若い男女がぎゃあぎゃあ大騒ぎした挙げ句に死ぬ。それも派手に死ぬ。それだけの話だ。以前は驚嘆したプロットも、スパイものの映画を見慣れてみればそれほどでもない。時系列をいじってあるのも十分な効果を発揮しているとはいえない。むしろそのせいで登場人物たちが何をなんのためにやっているのかが不明瞭になっている。一応はさらっと説明されるのだが不備や矛盾が気になり、腑に落ちぬまま最後まで連れまわされる。以前は手品師が指先の動きで仕掛けから観客の意識をそらすように、わざとわかりにくくしたのだろうと思っていた。しかし意外なはずの結末でようやくまともな説明をしてもらえた気分になるのでは気持ちよく驚けない。若い男女の活躍するアクション物語ということで十五年前は『ユービック』に似ていると感じた。再読では『小さな場所で大騒ぎ』や『戦争が終り、世界の終りが始まった』をむしろ連想した。狭い人間関係で大騒ぎして周囲に大迷惑をかけた末にみんな自滅する。そんな話に共感できないほど歳をとったのだ。なんのために何をやっているのかわからぬまま闇雲に突き進むような情熱は喪われたのだ。


(もり まさひこ、1975年6月18日 -)著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、藤井太洋氏、十市社氏らによる指導を受けた『悪魔とドライヴ』が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。最新作は『ぼっちの帝国』。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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