正直 『西瓜糖の日々』 ほどにはピンときませんでした。 詩的な比喩でやたら遠回しに語られた実話なんじゃないかと感じました。 訳者あとがきにも似たような感想が書かれていたので、 事実はどうあれ、 作法としては実際そんな書き方がされているのだと思います。 退屈で何をいってるかよくわからないわりには妙な生々しさがあるんですよね、 その退屈さやわからなさ自体に。 女の子から気持が離れていく過程とか、 そのちっとも劇的じゃない感じがね。 ブローティガンの友だちが読んだら懐かしく感じたりするのかもしれない。 ああ、 あの頃おれらはこんなだったよなと。 当事者にとっての日常は他人にはシュールリアリスティックな詩のように思えるのかもしれません。 弾を込めていない銃で子どもを脅す友人はケルアック 『路上』 みたいだなと思いました。
ASIN: B078Y29KLM
ビッグ・サーの南軍将軍
by: リチャード・ブローティガン
歯なしの若者リー・メロンとその仲間たちが、カリフォルニアはビッグ・サーで繰り広げる風変わりで愛すべき日常生活。蛙でいっぱいの池に放つ鰐。マリワナでトリップしながら待つ、奇妙なたくさんの結末…様々なイメージを呼び起こす彼らの生き方こそ、「あの頃」のアメリカの象徴なのか―。
特集: お友だちはサイコパス
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読んだ人:杜 昌彦
(2018年03月16日)
(1975年6月18日 - )著者、出版者。喜劇的かつダークな作風で知られる。2010年から活動。2013年日本電子出版協会(JEPA)主催のセミナーにて「注目の『セルフ パブリッシング狂』10人」に選ばれる。2016年、総勢20名以上の協力を得てブラッシュアップした『血と言葉』(旧題:『悪魔とドライヴ』)が話題となる。その後、筆名を改め現在に至る。代表作に『ぼっちの帝国』『GONZO』など。独立出版レーベル「人格OverDrive」主宰。
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